そうだ!催眠術、学ぼう。【その41】

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【その41】失敗からの学び③

 

スランプからの脱出

 

同じように誘導しているにも関わらず、なぜかうまく催眠術を掛けれない。

 

長年やっていると、こんなこともあるでしょう。
いわゆる「スランプ」というものです。
私の場合は、過去に大きなものが1回、小さなものが2回程ありました。

ちなみに、10人程度練習したぐらいで、「今スランプです」という人がいますが、これはスランプでも何でもありません。
それは、まだ習得のレベルに至っておらず、習得するまでのただの過程です。

 

1回目のスランプは、今でもハッキリと覚えているぐらい強烈なものでした。
その頃の私は、なぜだか自信満々でした。
「周りの術師には誰にも負けない」と本気で思っていましたし、「自分には術師としての能力がある」と思っていました。
ある程度、催眠術を掛けれるようになった、しょぼいレベルにも関わらず。

テレビで催眠術の番組を見ても、「こんなの自分でもできるし」「私ならこうするのに」と、まるでその人と対等、さらには上から目線で見ていました。
今から思えば、顔から火が出るぐらい恥ずかしいです。

 

おそらく、これは多くの人が通るものなのではないかと思っています。
ある程度のレベルになって、成功率が高まってくると、自分の実力が凄いように思えてしまうものです。
そうすると、周りの術師を評価したり、批判したりしてしまいます。
でもそれは、一部分を見ているだけであって、全体像を見ているのではありません。
その術師の誘導の本質や、何の為にその誘導をしているのか?が見えているわけではありません。
数年経ってから、そんな視野で評価していた映像を見ると、その術師の誘導がとても凄いものである、という事が分かりました。

 

 

そんな天狗時代の私に、スランプが訪れたのです。

 

きっかけは、一度の失敗から。
自分では、「絶対掛かりやすい」「記憶域の現象確定」と思っていた被験者に誘導して撃沈。
その経験にショックを受けてしまいました。
そこから、リズムが狂ってしまい、練習しても運動域の現象止まり。

 

「いつもと同じように誘導しているのになぜ?」

 

そういう事を何度か繰り返している内に、自信もなくなってしまいました。
そして、何だか催眠術も楽しくなくなり、いや、うまくいかないという現実から逃げるために、2ヶ月程やらなかった時期がありました。

 

 

スランプから脱出したキッカケは、友人の依頼からでした。
ある集まりに参加した時に催眠術師だと紹介されて、「この人に掛けてください」と言われたのです。
その時、全くやる気はなかったのですが、頼まれたので仕方なく誘導をしました。
そうすると、簡単に幻覚域の現象を起こすことができたのです。

 

「いつもと同じように誘導しただけなのに・・・」

 

その経験をキッカケに、私はスランプから脱出することができました。
そして、以前よりもより成功率が高まりました。
でも、そこから勘違いのオゴリはなくなりました。

 

私は、このスランプの経験から、催眠術にとってとても大事なことを学びました。
それは、術師自身の気持ちや感情によって、大きく結果が左右されるということです。
技術やテクニックではなく、術師の心が重要だということを。

 

その後のスランプは、軽いもので済みました。
それは、リズムや間のとり方がくるったのであって、重要な心の部分ではなかったからです。

 

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