男性と女性、どちらのほうが催眠術師に向いているの？
「男性と女性、どちらのほうが催眠術師に向いているのですか？」
前回の「男性と女性、どちらのほうが催眠術にかかりやすいの？」も合わせてご覧ください。
※ここでの催眠術師はテレビで観るような催眠現象を起こす誘導者としています。催眠療法士やリラクゼーションをメインとした誘導を行っている人は含まれません。
統計的に見ると、催眠術師の大多数が男性です。女性の割合は5%前後という状況です。また、レベルでいえば男性の方が高い催眠術師が多い傾向にあります。しかし、「男性の方が催眠術師に向いているのか？」という質問に対しての私の答えは「性別は関係ない」です。
それでは、なぜこのような差が生まれるのでしょうか？
私の個人的な考えとしては、これは男性と女性の本能的な違いによるものだと思っています。人によって催眠術を学ぶ動機はさまざまですが、その中の一つに「他者を自分の思い通りにコントロールしたい」という要素があります。これは男性のほうが強いと言えるでしょう。
映像上の催眠術は簡単に人を操ることができるように見えますが、それはエンターテインメントの世界の話です。実際には、真に催眠術をコントロール術として生かすためには、催眠の本質を理解することと、表面的な技術を落とし込んで使うことが必要です。
本題に戻すと、男女の違いではなくコントロール欲求の差が、人数やレベルの差を生み出していると考えます。権力欲も男性のほうが強いですよね。これは政治の世界をみているとよく分かりますし、会社などの組織においても、役員などの重要なポストは未だに女性の割合が少ないことでも理解できるでしょう。
コントロール欲求が強いからこそ、勉強をしますし、練習をしますし、その先に結果が出ます。結果が出ると楽しくなり、さらに勉強して練習をする。欲求はこのようなサイクルも生み出します。そしてそれは継続に繋がります。これも特徴の一つなのですが、長年続けている人も圧倒的に男性が多いです。
次は、レベルが高い催眠術師になるために重要な要素をいくか挙げます。
1. 技術とテクニック
- 催眠術は技術・テクニックなしでかけることができます。そこから成功率を高めるためには、技術とテクニックを磨いていくことが重要です。
2. 高い観察力と直感力
- 被験者の微妙な変化や反応を観察する能力が求められます。催眠中に、身体的なサイン（例えば、呼吸の変化や筋肉の緩み）や精神的な反応を捉えて、さらに深い催眠へと導くためには、鋭い観察力と直感力が重要です。
3. 柔軟性と適応力
- すべての被験者が同じ方法で反応するわけではないので、催眠術師は相手に合わせた方法を柔軟に選択し、適応できる能力が求められます。
- 例えば、最初は疑っている場合、徐々に信じてもらえるように工夫したり、反応が薄い場合には別のアプローチを試したりする必要があります。
結論
催眠術師に向いているのは性別ではなく、良いコミュニケーション能力や冷静さ、観察力、柔軟性を持ち合わせた人です。また、自信を持って被験者をリードできることが効果的な催眠をかけるために不可欠です。
当スクールにおいては、この数年、女性の受講生の割合が高くなっています。これまでの男性優位の世界から女性催眠術師が当たり前に表舞台に立つ、そんな世界を創造していきたいと思います。
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