退行催眠とは何ぞや①
退行催眠には大きく二つあります。
「年齢退行」と「前世退行」です。
この二つを一緒にしているところもありますが、私は分けて考えています。
目的も考え方も異なるからです。
年齢退行とは、 子供の頃の記憶を思い出す、といったように自分の過去の記憶に遡っていくもの。
前世退行とは、生まれ変わりがあることを前提として、自分の前世の記憶に遡っていくもの。
先日「X-MENジャパン」という番組に南裕先生が出演されました。
ある記憶をなくした老人の身元を探すために、退行催眠で過去の記憶の一部を呼び覚ましました。
そして、その人にとって重要なキーワードとなる記憶が蘇り、捜査が大きく前進しました。
感動された方も多いのではないでしょうか。
これは、「年齢退行」になります。
まだ、見てない方はこちらをご覧ください。※20:50頃~
退行催眠というと、どこか特殊なものと思われるかもしれませんが、別に特別なものではありません。
似たような体験を私たちは何度もしています。
例えば、昔によく聴いていた音楽が流れると、その当時の記憶が蘇ってくることはないでしょうか?
ボーっとしていると、過去の記憶が鮮明にどんどん沸いてくることはないでしょうか?
その中に、自分が覚えていない記憶まで出てくることもあるでしょう。
これらは、催眠誘導こそしていないものの、意識がトランスして記憶が蘇っています。
ですから、特別なものではないということです。
自己催眠でもできますが、他者催眠で催眠誘導を行うことでより催眠状態が深まり、記憶が蘇りやすくなります。
言い換えれば、術者の腕によってどれだけ記憶が蘇るかが変わってくるということです。
無意識で抑え込まれた記憶であるほど、深める必要があります。
年齢退行で出てくる記憶は本当なのでしょうか?
これは、本当の記憶もあれば、虚偽記憶もあります。
人間は、自分の都合のいいように、自分を傷つけるように、偽の記憶を作ってしまいます。
自分を傷つけるように?と疑問を感じた人もいるでしょうが、自己評価が低い人にこの傾向は強くなります。
「自分はダメな人間だ」「自分には無理に決まっている」
このような自分を納得させるために、偽の記憶を作ってしまうのです。
ある意味、自分にとって都合のよい記憶と言ってもいいかもしれません。
本当か?偽か?を簡単に見極める方法を一つ紹介しておきましょう。
その記憶(映像化されたもの)に、自分の姿が入っていれば、虚偽記憶となります。
なぜなら、本当の記憶であれば、自分の目で見ているので自分の姿が入ることはあり得ないからです。
最後に注意点も書いておきます。
年齢退行は気軽にやらないことをお勧めします。
誘導そのものは、シンプルで簡単にできてしまうので注意してください。
記憶は頭の中にイメージや映像だけで出てくるのではありません。
感情を伴って出てくることを認識しておいてください。
1年前に何気に食べた夕食を思い出すことは、まず無理でしょう。
記憶を思い出すということは、「幸福」「安心」「感謝」「恐怖」「後悔」「怒り」「罪悪感」 などの感情も一緒に出てくるということです。
気軽にやって、強いネガティブな感情を伴った記憶が出てしまうこともあるのです。
それは、催眠状態が深まるほどに出やすくなりますし、抑え込んでいたぶん、1度出てしまうとなかなか止まらない可能性もあります。
その記憶が、その人にとってあまりにも辛く、無意識で抑え込んでいたものであれば、地雷を踏んだようなものです。
それが虚偽記憶であったとしても、本人は信じてしまうことも問題の一つです。
仮にそうなっても対応できればいいのですが、カウンセリングやセラピーで経験を積んでいないとなかなか難しいでしょう。
次回は、前世退行についてお話します。
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