それでもあなたはセラピストになりますか?
本日は、催眠療法講座「上級コース」でした。
上級コースは、より実践的な内容になり、実際のセラピーの現場において重要なことをお伝えしています。
セラピストというと、気軽で楽しい職業というイメージを持っている人もいます。
どんなセラピーをするかにもよりますが、決して気軽な気持ちでできる仕事ではありません。
講座をやっていますが、気軽にやることを勧めていませんし、必ず「セラピーは難しいですよ」とお伝えしています。
確かに、国家資格は必要ないので、民間資格をとってすぐに始められます。
いや、資格などなくても、自分がセラピストと名乗れば始められる世界なのです。
しかし、結果を求めていけば、それは茨の道となることでしょう。
結果を出すことの重圧がありますし、専門的な知識や技術を磨き続けなければいけません。
「ここまで出来るようになれば大丈夫」というゴールはありません。
セラピストはとてもハードな職業です。
「話をしたり、聞いたりするだけでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、正直疲れます。
やり始めの頃は、2時間のセラピーの後、横になって1時間ぐらい動けなくなることがよくありました。
これは、クライエントのネガティブな感情に巻き込まれてしまった、というのが一つの要因でした。
今は動けなくなるということはありませんが、それでもどっぷり疲れることはあります。
あの頃とは違い、極限まで集中力を高めているときです。
催眠療法の場合、催眠誘導だけすればいいのであれば楽なもんなのですが・・・
セラピストは、複数のことを同時にしなければいけません。
●話を聞く
●話をする
は当然ではありますが、それだけすればよいわけではありません。
●話を聞きながら解決のヒントや答えを見つけていく
●気づきを与える、変化を起こす暗示を入れながら話をする
●問題の根っこがどこにあるのか?を見極める
●どんな方向性でセラピーを進めていくのが効果的なのかを見極める
●地雷を踏まないように一言一言注意しながら話をする
これらを同時に行いながらセラピーをしなければいけないのです。
さらに、クライエントの話を一言も聞き逃してはいけません。
なぜなら、クライエントの何気ない一言が、解決のヒントや答えに繋がることがよくあるからです。
特に最後は気をつけなればいけません。
セラピストが何気に話したことが、悩みや症状を強化させてしまう地雷になることがあるからです。
クライエントにとってセラピーを受けているときは、悩みや症状に焦点を当てることになります。
セラピストが解決のための話をしているつもりでも、クライエントにとっては逆に作用してしまうことがあるのです。
例えば、あがり症の相談で解決のヒントを見つけようと「例外さがし」をしたとします。
※「例外さがし」は前回の記事をご覧ください
「〇〇のときは大丈夫ということですが、何が違うのですか?」と質問すると、「そんなこと言われたら、緊張してしまうような気がしてきました」となってしまうこともあるのです。
セラピストがどれだけ気をつけていたとしても、どこで起こるかを予想するのは難しいでしょう。
だからこそ、出来る限り起こらないように、慎重に話や質問をしなければいけません。
これらを同時に効果的に行おうとするからこそ、普段ではやらないような集中のしかたをします。
催眠術の集中が五感を使っているとするならば、催眠療法の集中は頭をフル回転させているような感じです。
催眠術は終わったとき体全体で心地よい疲れを感じますが、催眠療法はエネルギーが消費されたような疲れを感じます。
何となくでもセラピストがハードな職業だとイメージできたでしょうか?
それでもあなたはセラピストになりたいですか?
それでも「YES」とハッキリ言えるのであれば、人のためにあなたの知識と技術を使ってみてください。
今日、以前に「トランスコーチング」を受けられた方からメールがありました。
あるスポーツで結果を出したいという依頼だったのですが、目標を達成できたという報告でした。
さらに、その結果に満足するのではなく、新たな気持ちで練習に取り組んでいる、ということも書いてありました。
お手伝いした方が結果を出すのは本当に嬉しいものです。
セラピストは、こんな喜びを感じることができる素晴らしい職業でもあるのです。
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