催眠術Q&A「催眠術で嫌な記憶を消せるか?」

催眠術に関する疑問にお答えするコーナーです。

 

Q:催眠術で嫌な記憶を消せるのか?

 

実は、多くの人がもっている催眠術に対する誤解であり、最も多い問合わせの一つでもあります。
そのほとんどは、恋愛に関することです。
しかも、ほぼ全員といっていいほど、女性からの問い合わせです。

「別れた彼のことが今でも好きで忘れることができません。もう元に戻ることはできないので、忘れようとするのですが、忘れようとしても頭から離れず、とても辛い毎日を過ごしています。こんなに辛いのなら、彼との記憶を消せればいいのにと思います。催眠術で記憶を消すことはできるでしょうか?」

多少は違いますが、ほとんどがこのような質問です。
結論から言うと、催眠術で嫌な記憶を消すことはできません。

 

なぜこのような誤解をされてしまうのでしょうか?

それは、テレビの影響です。
テレビの催眠術では、催眠術師が「あなたは名前を忘れてしまいますよ~」というと名前が言えなくなってしまったり、「数字の5が頭から消えてしまいますよ~」というと数字の5が言えなくなってしまうからです。

このような催眠術は、ほとんどの場合は本当に掛かっています。
しかし、これらは、記憶を消しているのではなく、一時的に特定の記憶を忘れさせているに過ぎないのです。
それを証拠に、催眠術を解くと、普通に名前や数字を言っていますよね。

もし、本当に催眠術で記憶を消せるのであれば、それはとても怖いことです。
嫌な記憶を消せるのであれば、楽しい記憶や大切な記憶も消せることになります。
そして、他人に記憶をコントロールされるということでもあります。

 

そもそも、記憶を忘れよう、消そうとすることが、その記憶を強化してしまいます。
人は「○○しないでおこうとすると、○○してしまう」という努力逆転の法則が働いてしまうのです。

ピンク色の象を絶対に頭に思い浮かべないでください、と言われてもピンク色の象が頭に浮かんでくるはずです。
人の思考に、禁止や制限をしようとしても無理なことなのです。

 

最後に、究極の解決方法を皆さんにお伝えしておきます。私が、数々のセラピーを行ってきた中でたどり着いた、一つの、究極の問題解決方法です。

うまくいかないことが続く時は逆のことをする

嫌な記憶を忘れようと、消そうとして、そのことが頭から離れないのであれば、逆にその記憶や感情に浸るのです。
そうすることで、最初は辛いかもしれませんが、その内慣れてきて、考えるのが面倒くさくなって、無意識はその記憶を忘れるのではなく手放そうとします。
結果、そのことを考えることは少なくなっていくのです。

 

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