マインド・クリエイトの催眠心理療法

催眠療法を行っているセラピストはたくさんいます。しかしながら、それぞれの「考え方」「やり方」「方針」はセラピストによって異なります。ですので相談者ご自身が、自分が求める結果を得られるのかどうか?を見極めて選択する必要があります。

とは言っても催眠療法がどんなものなのか?分からないことでしょう。ここではマインド・クリエイトが行っている催眠心理療法について説明しています。細部までしっかりと読んで頂き、セラピーを受けるかどうかの判断材料にしてください。
もし疑問などがあれば気軽に電話・メールでご質問ください。

【目次】

●なぜ催眠療法は効果があるのか?
●セラピーにおける考え方
●三段階で行う催眠心理療法
 ①「かける」催眠療法
 ②「解く」催眠療法
 ③「心」の催眠療法

 

●なぜ催眠療法は効果があるのか?

なぜ催眠療法は効果があるのでしょうか?まず多くの催眠療法士が行う一般的な説明をしていきます。

人の意識には、「顕在意識」「潜在意識(無意識)」がある、ということを一度ぐらいは聞いたことがあると思います。意識できる意識が「顕在意識」、意識ができない意識が「潜在意識(無意識)」。
氷山で例えられることがよくあります。これは意識の割合が、顕在意識(10%)、潜在意識(90%)であり、いかに潜在意識の力が強いかということをイメージしやすいからです。※この意識の割合は説明者によって割合が変わり、科学的な根拠はありません。
でも日常生活において、無意識的な反応が大きな影響を受けていることは、誰もが感じていることではないでしょうか。

心の悩みや症状は、意識して変えようとしても思うように変えることができません。これは9の力の潜在意識に暗示が入っているからであり、1の力の顕在意識でやっているので、潜在意識の圧倒的な力に負けてしまうからです。自分と同じ力を持った人が9人いて、1対9で綱引きをすることをイメージすると分かりやすいでしょう。

催眠療法では、催眠誘導で催眠状態へと導いていきます。そうすると潜在意識へ直接アクセスができるようになり、潜在意識に入っていた悪い暗示を良い暗示に変えることができます。あがり症で悩んでいる人であれば、潜在意識に「私は人前で話をすると緊張する」と暗示が入っていて、それを「私は人前で堂々と話ができる」と暗示を入れることによって解決していくのです。

催眠療法の現場では、実際に驚くほどの変化が起こり、解決していく人も多くいます。ただ催眠療法は魔法を求められる傾向にありますが、残念ながら魔法ではありません。催眠で魔法のように心の問題が解決することを求め過ぎると、逆に解決から遠ざかっていくことがあります。どんなセラピーにおいても大事なことは「私は心の問題を解決する」という気持ちありきなのです。催眠ありきではなく、自分の気持ちありき、ということです。

「魔法を求めれば魔法は離れていく。魔法を手放せば魔法のような変化が起こる」

これが催眠療法、その他のセラピーにおいて大事なことなのです。

 

●セラピーにおける考え方

マインド・クリエイトは、2006年にまず催眠術スクールを開校しました。これはテレビで見る魔法のような催眠術を習得することを目的としたスクールです。それから2008年催眠療法(ヒプノセラピー)を始めました。

「催眠術」と「催眠療法」は混同されがちですが、目的が違うので別物であると思ってください。実は催眠術を身につけている催眠心理療法士はあまりいないのですが、それは当心療所の特徴にもなっています。催眠療法においても、催眠術の考え方と技術を取り入れています。

エンターテイメントの催眠術をやってきたからこそ、魔法のような催眠現象があることは誰よりも目の当たりにしています。しかし心の問題を解決することを目的とした催眠療法とは別物であることも誰よりも理解しています。先述したように残念ながら催眠療法は魔法ではありません。

テレビで見る魔法のような現象を起こす催眠術は、「かかりやすい人」「かかりにくい人」がハッキリとしています。その人の能力に大きく依存しているということです。催眠療法においても、催眠状態の入りやすさ、暗示の入りやすさ、はクライエントの能力に依存している部分があります。これは催眠療法士ならいつかは立ちはだかる壁になります。クライエントの能力に依存したやり方では限界があるからです。

一般的な催眠療法だけでは解決できないケースがあります。そこで結果を求めて思考錯誤をしていくうちに、様々な心理(療法)を取り入れてきました。

・傾聴
・NLP
・エリクソン催眠
・ブリーフセラピー
・瞑想
・マインドフルネス
・スピリチュアル

「催眠心理療法」にしているのは、通常の催眠療法ではなく、催眠の枠を超えたやり方だからです。
クライエントにとっては、心の問題が解決するのであれば催眠でなくてもよいわけです。ですから当心療所では、「催眠」を看板に掲げていますが、それに囚われてはいません。「霊に憑りつかれた」というクライエントであれば「除霊」だってやります。
セラピーの現場では、100人いれば100通りの解決法があります。一人一人のクライエントに合うものをカウンセリングで分析して選択しています。

「催眠の力を最大限に生かしながら、使えるものは何でも利用する」

これがマインド・クリエイトの催眠心理療法のベースの考え方です。

 

●三段階で行う催眠心理療法

当心療所では、三段階に分けて考えるセラピーを行っています。

一段階:「かける」催眠療法
二段階:「解く」催眠療法
三段階:「心の」催眠療法

これはどれが優れているかというものではなく、複数の視点で行うことによって、より多くの相談に対応することができます。実際のセラピーではさらに複雑になるのですが、ここではシンプルに解説しますので、なんとなくでもイメージして頂ければと思います。

一段階:「かける」催眠療法

一般的に行われている催眠療法のやり方です。

・催眠状態を深める
・潜在意識に暗示を入れる

暗示療法とも言われていますが、これは催眠術と同じように、クライエントの「被験性(催眠状態の深まりやすさ)」「被暗示性(暗示の入りやすさ)」などの能力を生かしたやり方です。回数を重ねるごとに催眠暗示が強化されていきます。
※当心療所では催眠誘導を録音することによって何度も聴けるようにしています

これまで、この一段階の方法で解決した方も多くいますが、表面的な解決方法でもあり元に戻りやすい傾向があります。壁にペンキを塗るとキレイな色になりますが、時間経過や自然の影響によって剥がれていき元の姿が見えてきます。心の悩みを解決するために効果があると思う、〇〇セラピー、〇〇法、など色んな方法を渡り歩いていて解決していないのであれば、根本的な解決ができていないということです。

セラピー、カウンセリングのゴールは来なくていい状態になることです。

 

二段階:「解く」催眠療法

「かける」催眠療法に新たな視点を加えました。それが「解く」催眠療法です。

「解く」催眠療法とは、そもそも心の悩みがあるのは自分自身に悪い催眠をかけていて、それを解いていけば問題が解決する、という考え方です。そうすると「被験性」「被暗示性」などのクライエントの能力は関係ありません。なぜならもうすでに催眠にかかっているのですから、その能力があるのです。

ここでは根本的な解決をするために、クライエント自身の「行動パターン」「思考パターン」を分析して変化を起こしていきます。
さらには「思考との関わり方」まで変えていきます。そもそも悩みを生み出しているのは自分自身であり、されに落とし込んでいけば自分の思考が生み出しています。多少の時間とトレーニングは必要ですが、この悩みの本質を理解して変えていくことができれば、悩みに囚われなくなることでしょう。

催眠誘導に頼ったやり方ではなく、実際に行動を変えてトレーニングをしていくので、根本的な解決をすることができます。そして根本的な解決ができれば、元に戻りにくくなります。

 

二段階で最も重要な2つのやり方を紹介しておきます。

●「パターン化」と「パターン崩し」
●回避行動

●「パターン化」と「パターン崩し」

 セラピーをやっていて、ある時こんなことを思いました。

「なぜ人は同じことを繰り返すのか?」
「悩みは違うのに同じことを言っている」

当心療所には様々な悩みで来談されます。

・あがり症、緊張症
・毎日が憂鬱で人生がうまくいかない
・人間関係がうまくいかない
・自分を変えることができない
・勉強に集中できない

等など。

様々な相談を受けてきて分かったことが、自分自身では望んでいないのに同じことを繰り返して「パターン化」されて悩みになっている、ことです。人間はダメことでも繰り返してしまう生き物です。
パターン化されると、その悩みや症状は維持・強化されてしまいます。ならばそのパターン化されたものを分析して、「パターン崩し」をすることで心の問題は解決していくと考えたのです。

京都は大学が多く「勉強に集中できない」という相談もよく受けます。これに関しても「パターン化」が大きく影響しています。話を聞いてみると毎日同じような生活パターンになっていて、それが「勉強に集中できない」状態を定着させているのです。そこで「パターン崩し」を行い生活のサイクルを変えていくことによって簡単に解決できたことが何度もあります。

「パターン化」を明確にして、何らかの行動を変えることによって「パターン崩し」をする。シンプルでありながら、じっくり取り組んでいけば着実に良い変化が起こることでしょう。

●回避行動

悩みの本質は「ネガティブな感情を感じたくない」です。それに囚われて続くと悩みになります。一度の嫌な体験では悩みにならないものです。
そしてネガティブな感情を避けるために、何気についついやってしまう行動があります。この行動を「回避行動」と言います。
例えば、苦手な人を避けたり、嫌なことを何らかの理由を付けて断ったり、ということは誰でもあるのではないでしょうか?これも回避行動の一種です。

例えば、あがり症で悩んでいる人であれば、

・人が集まる場所に行かない
・自分から話しかけない
・人前で話をする依頼を断る

などの回避行動をやってしまうものです。何気についついやっているので、多くの人は気付かない内に複数の回避行動をしているものです。10以上やっていた、なんて人も少なくありません。

回避行動をやり続けるとどうなるのか?
これは悩みを維持・強化する力が働いてしまいます。あがり症の人であれば、回避行動を続けていくことによって「緊張」という木を育てる土の栄養分になっているのです。

回避行動をすることで心の悩みが維持・強化しているのであれば、回避行動を一つずつでも止めていけば悩みは解決していく。

逆の発想をして行動を変えていくのです。シンプルな考え方ですが着実に根本的な解決をすることができる方法です。

三段階:「心の」催眠療法

「かける」と「解く」の催眠療法で独自のセラピーを確立してから、「さらに結果を出すために何が必要なのか?」「セラピー後にもさらに良い変化を起こしていくためにはどうすればいいのか?」を考えてたどり着いた答えが「心のあり方」でした。ここまで意識して変化を起していけば、セラピー後にもますます良い変化を起こしていくことができます。

心の悩みはさらに深くまで掘り下げていくと自分の心が生み出しています。

「夫婦関係がうまくいかない」という悩みがあったとします。そうすると、「どうすれば夫婦関係がうまくいくか?」と自分がやるべき行動を考えます。

・プレゼントをする
・相手の話をしっかりと聞く
・自分から話しかける

このような行動をすることで関係が良くなればそれは素晴らしいことです。
でも、それでも関係が良くならないのであれば、相手を変えようとする「心のあり方」が問題なのかもしれません。夫婦関係がうまくいかないのは自分の問題だと受け止めて、自分の「心のあり方」を変えていくのです。

・愛する心
・感謝する心
・喜ばせる心

そして、その心のあり方を変えていくための行動をしていきます。この行動は毎日簡単にできることにするといいでしょう。

・名前で呼ぶ(愛する心)
・墓参りをする(感謝する心)
・相手を褒める(喜ばせる心)

同じ行動をするにしても、心のあり方が変われば相手の受け止め方や感じ方が変わるものです。
一見すると関係がないように思えますが、心のあり方を変える行動と、夫婦関係を改善していくことは繋がっているのです。これは本質を理解するまで多少の時間がかかりますが、小さな行動を続けていくことによって、きっとより良くなっていくことでしょう。

煙草を止めることができない男性がいました。家族から何度も「健康のために煙草を止めて欲しい」と言われても止めることができませんでした。単身赴任で家族別々に暮らすことになって娘からこんな手紙が届きました。

「いつも家族のために働いてくれてありがとう。これからも健康でいてください。」

そうするとその男性はその日から煙草を一本も吸わなくなりました。実はこれ私の叔父の話です。
何が違うか分かりましたか?最初はお父さんに煙草を止めさせようとしていたのが、手紙では感謝の気持ちを伝えて煙草を止めろとは一切言っていません。でも娘の気持ちが伝わって、自分で考えて煙草を止めることを自分で選択しているのです。
このように「心のあり方」が変われば、相手の受け止め方が変わり、その先の行動が変わっていくのです。

 

どの段階でセラピーを行うかは、人によって変わります。
当心療所では、まずカウンセリングに時間をかけて、自分自身の心と向き合ってもらいます。そこからその人に合った方法を見極めて選択しています。
それから催眠誘導で催眠の力を最大限に生かして、より良い変化を起こしていきます。

 

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