事実だけを取り出すと真実が見えてくる　捏造もあり

ネットの発達によって、私たちの生活は情報で溢れるようになりました。
様々な視点から情報を得られるという大きなメリットはありますが、真実を見極めることはとても難しいと言えるでしょう。
発信者一人一人にフィルターがあり、そのフィルターを通して私たちは情報を得ることになります。
ということは、その人の根っこにあるものが分からなければ、その情報が正しいかどうかが分からないのです。
いや、そもそも一人一人考え方や価値観が違うのですから、科学的に証明されたものや数値化されたものでなければ、見極めることなんて出来ないのかもしれません。

人は何らかの刺激を与えられると、何らかの反応をしてしまうものです。
これが何度もブログでも書いている、広い意味でも催眠になります。
発信者が悪意を持って情報を発信していることもあり、その情報によって印象操作されていることもあります。
無防備に受けてしまうと、相手の意図通りにコントロールされてしまうこともあります。
だからこそ、私たちは溢れる情報から真実を見極めようと意識することが大切なのです。

今回は、真実を見極めるための簡単な方法を一つ紹介します。

次の文章を見て、あなたはどのように感じるでしょうか？

・Ａ子さんが会社で部長に言われたことを同僚のＢ子さんに話をしている場面です。

Ｂ子聞いてよ～
さっき私が携帯を見ていたら、部長に「仕事以外のことはするな」と怒られたの。
友達に今日の予定をメールで送っていただけなのにヒドイと思わない？！
あの部長、前から私のことが気に入らないみたいで、仕事中に何度も私を監視するように見るのよ。
しかも、周りの人にも聞こえるような大きな声で怒って、私に恥をかかせたの。
あんな部長は上司として失格よ。

部長が悪いと思ったでしょうか？
典型的なネガティブな感情（怒り、嫌悪）のフィルターを通した話ですね。
理解しやすいように少し極端に作りましたが、このような会話は日常でも溢れています。

それでは、ここから真実を見極めるための作業をしていきます。
「事実」だけを取り出していきます。
フィルターを通さない、その人の評価を取り除いたものです。

そうすると、このようになります。

さっき私が携帯を見ていたら、部長に「仕事以外のことはするな」と言われた。
友達に今日の予定をメールで送っていた。
部長は仕事中に私を見る。
周りの人にも聞こえる声で言った。

これが事実になります。

・「怒られた」は評価であり事実は「言われた」になります
・「大きな声」は評価であり事実ではありません

どうでしょうか？
事実だけ取り出すと印象が変わりませんか？
もっと言うなら、「部長は仕事中に私を見る」も抜いてもいいかもしれません。
Ａ子さんだけを見ているわけではなく、上司として全体を把握するために観察しているとも考えられるからです。
そうすると、何らたいしたことを言っているわけではないことが分かるでしょう。

映像や文章を見るときには、ぜひやってみてください。
特に、人の悪口を言ったり批判をしているときは、その人のフィルターが思いっきりかかっているので注意してください。
テレビや新聞はいい練習になることでしょう。

ただ、事実だけを抜き出しても、その事実が捏造されている場合もあります。
ただの間違いと意図的な捏造を見極めるのは難しいですし、その場合の見極めには知識や情報収集も必要になりハードルが高くなります。
そうすると、ますます真実を見極めるのが難しくなります。

それでも、事実を抜き出す意識を持つことで、真実に近づくことができるでしょう。

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